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■「アンジアマンギラーナ監視森林」とは
住民の生活と自然地域の保全との両立を目的として管理される自然保護区です。マダガスカル国マジュンガ州アンツイヒ県とアナララバ県の間、マナサムディ(現地の言葉で「家へお帰りなさい」)山地の中央にある森林で、南北31キロメートル、東西10キロメー、面積143.8平方キロメートル、北端は南緯14度54分58秒東経47度43分24秒に位置します。
保護区の中央にアンツキツキ(標高375m)という頂上が草地の六つの丘が並び、南端にマナサムディ山(標高418m)が、北部には真っ白い砂の丘にマルヒルハナ森林があります。マナサムディ山の裾に調査基地があります。

ファンドメンバー佐藤純子さんによる可愛くてわかりやすいアンジアマンギラーナの絵地図→
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アンジアマンギラーナ監視森林の管理にはまわりの住民が参加しています。
アンジアマンギラーナの森林は、乾燥した気候のうえに砂の土地であるために、非常に壊れやすい性質をもっています。その上、この森林は開墾、野焼き、放牧、不法な伐採のために森林が破壊され、生物相の破壊が進んでいました。
これらの破壊から森を守り、若い木々を守って森を再生させ、森林内に点在する草原から森を復活させ、森林を連続させて動物たちの生きてゆく場所を確保することが、アイアイ・ファンドの活動です。
保護区のまわりの村では、住民から六人の保護区管理員が選出され、管理のために常駐して活動しています。また、調査基地の建設、保護区境界標識の設置、防火帯作業、森林火災の防火作業などいろいろな活動に参加しています。それは、この森が住民の水源林だからです。
写真:村長さんの好意で土地1ヘクタールを無償で借りて家を建てました。

■アンジアマンギラーナ監視森林には
数多くのマダガスカル固有のめずらしい動物が住んでいます。アイアイやコクレルシファカなどの原猿類、マダガスカルトキやマダガスカルハイタカ、ニシヂカッコウなどの鳥類、フォッサなどのマングース類、翼の先端と足裏に吸盤をもつサラモチコウモリなどのコウモリ類、ボアやナイルワニなどの爬虫類など、動物の宝庫です。
このような生物の豊かさは、ラミーなどをふくむ水辺の常緑樹の森林から乾いた頂上のユーフォルビアの群生地まで、さまざまな植生のモザイクのような組み合わせが、多くの熱帯雨林の要素を乾燥森林のまん中で保っているためです。
この森林は周辺集落の水源林として、また下流域に発達しているマングローブ林の水源地域としても重要です。さらに、森林の東部にある水系や湖では、絶滅危惧種のマダガスカルカイツブリやクロンボガモなどの水鳥が多いことが知られています。

■アンジアマンギラーナの森の動物たち
これまでの調査で確認されたうち、おもな動物の種は次のとおりです。

鳥類
マダガスカルトキLophotibis cristata(画像4)、マダガスカルハイタカAccipiter madagascariensis、コマダガスカルハイタカAccipiter hentsii、マダガスカルカイツブリTachybaptus pezelnii、マダガスカルカンムリアマサギArdeola idae、マダガスカルサギAedea humbloti、クロンボガモAnas melleri:以上、絶滅危惧種。 ニシヂカッコウCoua coquereli:保護緊急種

哺乳類
ジャコウネコ類:コバマングースEupleres goudotii:希少種、フォッサ Cryptoporcta ferox(画像2):最大種など3種。
コウモリ類:大型コウモリ類1種、サラモチコウモリMyzopoda aurita(画像3・希少種マダガスカル特産の1科1属1種)など小型コウモリ類4種。

霊長類
アイアイDaubentonia madagascariensis(画像1)、グレイネズミキツネザルMicrocebus murinus 、コクレルコビトキツネザルMirza coquereli、フトオコビトキツネザルキツネザルCheirogaleus medius、ミルヌエドワルイタチキツネザルLepilemur edwardsi 、 ブラウンキツネザルEulemur fulvus fulvus、コクレルヴェローシファカPropithecus verreauxi coquereli(画像5)。

☆未踏の自然地域
このほかにさらに5種のサルの生息が見こまれ、マダガスカルにおける霊長類研究の調査地として有望です。
アンジアマンギラーナ森林は、マダガスカルトキのマダガスカル最大の繁殖地のひとつです。小型哺乳類、両棲爬虫類、昆虫や植物についても記録が少ない地域ですから、今後の研究が期待されます。





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