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【No.34 平成25年2月】

「日本アイアイ・ファンド(NAF)2012年の活動」

日本アイアイ・ファンド代表
島 泰三

2012年のまとめ
DVD『知られざる熱帯大陸マダガスカル』が正木徹編集のもと土方裕雄音声、庄司龍音楽という豪華スタッフによって完成し、五年越しの悲願を達成しました(「DVD『時の箱舟』は9月までに完成を目指す」と 2008年1月3日に宣言していますが・・・)。
清水俊介理事に「アイアイ・ファンドに寄付してきた人にとっては、初めての成果品というわけですね」と言われましたが、適切以上の評です。報告会に出ていない人にとっては、この10年間ひたすら寄付をするだけの集まりでしたが、今回の映像で現場ではどんなことになっているのか、一端がご理解いただけたかと。

マダガスカルでは
本年は当初計画していた植林事業が大規模には進められなかったことが実に残念でしたが、チンバザザ動植物公園がアンジアマンギラーナ保護区周辺の活動をはじめたことと、石原晃さん、塚原高広さんがマダガスカルに行ったので、有益な情報を得ることができました。7月と11月の二度にわたるマダガスカル滞在の間に、ラミーの種子からの育苗に成功したと言ってもいいのではないかと確信しました。
2010年に一度職を追われたマダガスカルアイアイ・ファンドのジルベールさんとクローディーヌさんは、その年末には帰り咲き、2012年7月には閣議決定でチンバザザ動植物公園の園長と副園長格になりました。アンジアマンギラーナ村長も上京して「お祝いは牛一頭」と言っていました。アイアイ・ファンドとしても牛二頭くらいはお祝いを出さなくてはなりません。

日本では
コーヒーノートの新しいパンフレット「アイアイのコーヒー」制作に協力しました。ぜひ、「アイアイのコーヒー」をご賞味あれ。
今年は「ジイジ最後の冒険」と称してルワンダ、ガボンとアフリカ2カ国を回り、余計なことに「ルワンダマウンテンゴリラソサイエティー」を立ち上げてしまいました。マウンテンゴリラのすごさは圧倒的でした。さて、アイアイとどっちか。

2012年の活動
元旦、相原さん(パリアイアイ・ファンド代表)がルワンダから連絡。ゴリラ計画始動。
1月20日、「祖父母研究会」主催の下関での『孫の力』講演会。山内英雄「J-YOGA整体」も実施。アイアイ・ファンドメンバーは、またしても別目的(フグ?)で多数参加。
1月21日、北九州大学での講義『親指と直立二足歩行』、DVD 「アイアイとオランウータン」を紹介。
1月30日、アイアイ・ファンド活動報告書作成。
2月6日、正木さんと『知られざる熱帯大陸マダガスカル』DVD制作の打ち合わせ。映像編集用ソフト購入。
2月8日、アイアイ・ファンド年次報告書、送付。送付数280部
2月11日、アイアイ・ファンド報告会。午後5時半から懇親会。
2月16日、上野動物園で、原田さん(チンバザザ動植物公園派遣ボランティア)と正田先生に会う。現在、原田さんはマダガスカル関係の土産物店を日本で開くべく活動中。
2月20日、ブルノーさんへの送金(アンジアマンギラーナ基地の窓柱、壁の修理とトイレ新設およびラミー苗床の整備)、セルジュさん(旅行業者)への連絡。
2月27日、正木、大森さんとDVDと「アイアイのコーヒー」パンフレットの件。
3月2日、東村山の保育園『空飛ぶ三輪車』で、紙芝居『おとなりのアイアイさん』(佐藤純子作:使用ご希望の方はご連絡ください)。
3月14日、NHKグレイトネイチャー取材班、戸井十月さんとのうちあわせ。
3月22日〜31日、MAFとチンバザザ動植物公園によるアナイジャヌ村での植林活動。
4月3日、DVD『知られざる熱帯大陸マダガスカル』用原稿最終打ち合わせ。
4月30日、アイアイ・ファンド領収証発行、送付。庄司、米倉、赤松、大森さん参加。
5月8日、DVD『知られざる熱帯大陸マダガスカル』録音。正木、清水、庄司さん。
5月10日、DVDに使うアイアイの映像使用許可について、「アイオス」社長だった岩川さん宅を訪問。(清水、大森、庄司さん参加)
5月31日〜6月23日、MAF ブルノーさんによる現地事業
6月6日、マハウニソン代理大使に面会。チンバザザ動植物公園のジルベールの旧友であり、アイアイ・ファンドの設立総会にも家族で来てくれた人。
6月8日、山口県立下関西高校文化講演会での講演「青春の取り返しはつかんぞ」(資料請求はこちらから)。
6月末、DVD『知られざる熱帯大陸マダガスカル』完成。
2012年アフリカ、マダガスカル遠征
6月12日、ルワンダへ。同日、「アイアイのコーヒー」パンフレット用写真の再送。
6月16日、ゴリラ・ネーミングセレモニーで日本人初の名づけ親となる(資料参照)。
6月23日、ルワンダからガボンへ。6月30日、ガボンからルワンダへ。7月1日、ルワンダからケニヤへ。7月3日、ケニヤからマダガスカルへ。ルワンダ、ガボン、ケニヤ、アンタナナリヴと寒い。赤道直下がこんなに寒いとは!
7月5日、NHK取材班とチンギドベマラハ世界遺産地域の入り口、ベクーパカで合流。
7月13日、アンタナナリヴ大学での撮影。取材班と別れ、14日は終日眠り続ける。
7月15日、サイクロンで倒れかかったラミー(アンタナナリヴ事務所庭)を立て直す。
7月16日、マダガスカルから日本へ。
7月半ば、アフリカ、マダガスカルの映像を取り入れたためか、コンピューターが2台とも壊れた。新パソコン、新映像ソフトを購入するも、不具合でしばらく動かない。
8月7日、「レムールニューズ」翻訳。
8月13日、塚原さんからアンジアマンギラーナの現状についての報告あり。
8月20日、2台のパソコンにデータの入れ直し終了。「これからはコンピューターが壊れる前に、先先に手を打たねば」と反省。赤松さんの協力を受ける。
8月22日、「わたしのジイジ」、「空飛ぶ三輪車」2曲録音。作詞島 泰三、作曲庄司 龍、歌鈴木佐江子、台詞島和香奈。現在、佐藤純子さんがイラストをつけている。
8月27日、プロダクション「喜望峰」の録音室でNHK番組用インタビューの録音。「アイオス」事務所を訪ね、その後、「ナスカアイ」事務所訪問。「セイブ・ザ・グレイト・エイプス基金」は健在で、「ルワンダ・マウンテンゴリラ・ソサイエティー」のパンフレット資金はそこから出してもらうことになった。古い友人は大切。
9月1日〜3日、愛媛県愛南町で「エコスクール」に講師として参加。『翼の王国』(全日空機内誌)の愛南町特集(写真:阿部、文:島)を国会議員(友近氏)が見て同僚に宣伝したと報告し、宴会大盛り上がり。「ネッツトヨタ瀬戸内株式会社」の多賀常務が、子ども達への釣り現場に来たり、「トヨタ自動車」の渡邉技監に電話をつなぐ。やはり『翼の王国』を見て、愛南町に友達を得たいとのこと。1週間後、山ア漁猟長(愛南町在住、アイアイ・ファンドメンバー)が渡邉さんを案内するかわりに、次回「エコスクール」講師を渡邉さんに無料で承諾させた。山アさんは辣腕というか、行き当たりばったりというか。渡邉さんはトヨタではそうとう偉い人らしいのだが。
9月10日、「アイオス」事務所閉鎖。9月15日、「アイオス」映像テープ受け入れ。
9月16日、映像教材企画はじめる。タターサルシファカの古い映像を読み込み。
9月21日、22日、ビッグサイト開催されたJATAのルワンダブースでゴリラ講演。
9月30日、木村さん(朝日新聞『プロメテウスの罠』の取材班)、山ア夫妻と会う。
10月12日、DVDの発送。佐藤、正木、清水さん。
10月13日、NHK『グレイトネイチャー』で「針山の奇景―チンギドベマラハ」の放映。
10月29日、フクシマ以外の原発爆発予測図作成。ニューヨーク・アイアイ・ファンドの坂本龍一さんに送ると「友人と共有してよいか?」と(資料あり)。
10月31日、「ルワンダマウンテンゴリラソサイエティー」パンフレット完成(資料あり)。
11月3日、マダガスカルツアー始まる。島 泰三・節子、近藤弓子、平松みどりの四人。石原さんが空港に出迎え。
11月4日、石原さんプロジェクトエリア、アンタナナリヴ北部郊外のアンブヒジャヌ村「マダガスカルでいちばん美しい村」へ。
11月5日、アンタナナリヴを出発し、北端の町ディエゴスワレスを経由して、アンジアマンギラーナへ向かうも保護区まで届かず、引き返す(詳細は、年次報告会報告で明らかに)。
11月16日、近藤、平松さんの帰国を見送る。

マダガスカルの現状
11月17日、午前中にジルベール、クローディーヌに会う。2012年7月にジルベールは園長になり、クローディーヌは主席キュレイター(副園長格)になった。これは、閣議決定であり、前回の園長のような暫定的なものではない、と。また、現高等教育省大臣はベファンドリアナ・ノール出身なので、アンジアマンギラーナの自然保護には熱心である、とのこと。ジルベールは博士論文完成までの最終局面だという。55歳を越して博士号をとるために勉強しているのは、実に見上げた心意気、と感心した。

新技術開発
11月18日、昼から雨。本格的な雨季に入った。
失敗に終わった現地調査を振り返って、反省しきり。だが、ラミーの育種には成功している。それは、天然の樹木種の種子という新しい技術を得たと言ってもいいのではないかと、ここまで考えてようやく心を持ち直した。
1998年に発芽し、2001年にチンバザザ動植物公園と事務所に植え替えた最初のラミーの苗(38本)は、発芽後3年間は日陰で育てなくてはならなかった。2010年に発芽したラミーは、バナナの葉陰で十分に生育し、その年のうちに保護区に植え替えることができた。しかも、アンブヒジャヌ村に植えたラミーは発芽後3年間で、熱帯雨林種の5、6年ものに匹敵するほどの大きさになっている。それは、熱帯雨林種ボアビニと乾燥林種マダガスカリエンシスとの違いだろう。
この植樹を継続しよう。10年たったラミーの木はすでに雄大な風景を見せている。

並木を作る
今まで、植林というとアイアイの保護区の森の回復、と思い込んできたが、グーグルでアンジアマンギラーナを見ると、調査基地タナンバザーの隣の丘の中学校に並木が見える。中学校の校長がその木を植えるのが好きだと聞いたことを思い出した。
並木という手がある。村から保護区への5キロの道が並木で続いていたら、それが村の水道の道でもあるから、どんなにか素晴らしい景観になるだろうか。これまでいろいろな木を植えて、タビビトノキは10年で、ラミーは20年で、バオバブは50年で、景観と言えるほどの大きさになることが分かった。だとすれば、これらの木々を村から順番に2キロずつ植えて、並木道が次第に完成するのを楽しみにしてはどうか?むろん、こちらの目の黒いうちには実現しないが、孫たちの世代を考えればどうか?また、植林の作業もアンジアマンギラーナ村婦人会や青年部に頼ってきたけれど、小学校、中学校の生徒たちに村内、保護区内の植林を手伝ってもらうのは環境教育にもなる。

孫世代へ伝える
日本からも子どもたち、さすがに小学生は無理だが、中学生から高校生の年代の少年少女を、この植林事業に参加してもらうという企画はどうだろうか?15歳の子どもが30歳あるいは40歳になって、人生の半ばに自分を振り返る時、「そうだ、マダガスカルに植えた木がある。見て来よう」と思えるとしたら、それはちょっと面白いかも。
マダガスカルの雨季の豪雨にラミーの育つ音を聞く夜に、構想かくして熟し、妄想大いにたくましく、次第に元気を取り戻した。
11月19日、チンバザザ動植物公園でクローディーヌと会談。たぶん、彼女に呼ばれたのだろう、アンジアマンギラーナ村長クリスチャンが顔を出した。

アンジアマンギラーナ・エコビレッジ
クリスチャン村長によると去る10月にアンツイヒで環境会議があり、ノルウェーが主導して、アンジアマンギラーナ近くにエコビレッジを作ることになったという。太陽光発電や放火をしない宣言などをやるのだとか。また、村長はこの一年、村のまわりでは放火はなかったと報告した。これはなかなかのことだ。彼は調査基地の借料金を請求し、牛のあまり大きくない程度の地代と約束したことを思い出して支払う(30万のうち20万アリアリだけ)。また、監視員のサラリーは昨年までしか払っていないので、これもクローディーヌがアンジアマンギラーナに行くときに、今年分を全部払うことにした。また、小屋の修理費用は総額60万アリアリの見積もり。

ロラン!
そこへ、なんとロランが来た(アイアイ・ファンド・メンバーならば、彼の経歴を少し知っているかもしれませんが、島代表の運転手兼護衛をしていたが、倉田社長と共同出資したタクシーブルース用の車を売り払って逃亡し、電話をすると「ナンキエット・パ」このフランス語を訳すと「私のことは心配しないでください」と言ったあの男。その後、マダガスカルの宝くじの看板にモデルとして出ていて驚かせた男)。彼の語るあれこれの話を総合すると、フランスへの旅行(移住?)はビザが下りず、カフェド・ラ・ガールの警備員や空手教師として糊口をしのいでいるらしい。ジルベールが園長になったのを幸いに、チンバザザ動植物公園の警備主任になり、泥棒を先週の金曜日に捕まえたという、例によって例のごとき話。「まあ、まあ、がんばれよ。しかし、車の金忘れるなよ」と言うしかない。

アイアイ健在
森林監視員のマルクからクローディーヌに連絡があり、彼らはラミーの種子収集に行って11月15日頃アンジアマンギラーナ川のキャンプ地のラミーの木でアイアイを見た、とのこと。
11月19日、クローディーヌに事業資金を渡す。
11月21日、日本大使館で川口大使へDVD『知られざる熱帯大陸マダガスカル』を渡し、アンカディフチ・クリニックの平間シスターに会って、DVD『知られざる熱帯大陸マダガスカル』や雑誌、お菓子や米などを差し入れした。彼女には毎度毎度、ほんとうにお世話になっている。
11月24日、アンタナナリヴ発。

再び日本で
12月8日、マダガスカル映像処理でトラブル続き。新ソフトと新機材でトラブルに泣く。

2013年
1月19日、お茶の水でマダガスカル関係者による食事会。アイアイ・ファンドメンバーのほか、青年海外協力隊の若い女性が多かったのはびっくり。
2月1日 新任の細谷龍平駐マダガスカル大使および川口前大使と会う。日本政府は昨年11月にマダガスカル政府を暫定的に承認した。本年五月と予定されているマダガスカルの大統領選挙が行われれば、政府援助も再開するとのこと。

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